AIと共存できるのか「AIvs.教科書が読めない子どもたち」

読書
メメオ
メメオ

みなさんこんにちは
メメオです!

近年、
AI(人工知能)の進化が目まぐるしく、
巷では

AIが神になる!

AIが人類を滅ぼす!

シンギュラリティが到来する!

といったことが騒がれています。

本当にこのようなことになったら

恐ろしい未来が待っているような
気がしますが、

AI開発の第一人者である
新井紀子氏によると、

AIが神になる?
 → なりません。
AIが人類を滅ぼす?
 → 滅ぼしません。
シンギュラリティが到来する?
 → 到来しません。

とのこと。これを聞いて

なーんだ、
AIに仕事を奪われて失業するって話も嘘か。
よかった~

と思いたいところですが、

一概にそうとは言えないと、
新井紀子氏は警鐘を鳴らしています。

そこで今回は

新井紀子著
AIvs.教科書が読めない子どもたち」を紹介します。

この本では

  • AIにできること、できないこと
  • AIにできないことを
    人間にできるのか

について書かれており、

AIが
私たちの生活に入り込んできている中、

AIと共存するための、
今後必要なスキルが何かを考えさせられる内容になっています。

解説していきますので
よろしくお願いいたします。

1 AIにできること

AIとは
artificial intelligenceの略で、

知能を持ったコンピューター
という意味で使われています。

コンピューターとはすなわち
計算機です。

計算機ですから、計算しかできません。

さらにいうと、
足し算、引き算、掛け算、割り算 しか
できないそうです。

つまりAIにできることは、

「数式で表せること」

ということです。

AI研究者は、

世の中のあらゆることを

数式で表そうと、
日々頭をフル回転させている
のだそうです。

では、
数式で表せることとは何か。

筆者によると、

長い歴史を通して、数学は、
人間の認識や、
人間が認識している事象を
説明する手段として、
論理と確率、統計という言葉を
獲得してきた、
あるいは、獲得できたのは
その3つの言葉だけだった

とのことです。

ここからは、

論理、確率、統計

について解説します。

論理

論理とは、

「A=BかつA=Cであれば
B=Cである」

というようなものです。

世の中の全てが

このような論理で成立していれば
よいのですが、

世界には
論理だけでは説明できない事象がある

と筆者は言います。

本書ではその例として、
落下という現象を挙げています。

万有引力の法則や
ニュートン力学は
この論理を用いることによって
うまく記述できているのですが、
『落下』という現象を
詳しく観察すると、
必ずしも万有引力の法則で
計算したとおりにはなりません。

羽などのような
軽いものが落下するところを
想像すれば、
よくおわかりいただける
と思います。

このように、
論理だけで説明できない理由は、

 ”ランダムな要素が加わる” からです。

そこで、「確率」です。

確率

確率とは、

ランダムに起こる事象について、
次に何が起こるか予測できなくても、
大量の数のうち
どのくらいの割合で起こるかが
わかるようになる

という理論です。

確率を使えば
サイコロを振って1の目が出るかどうか

を当てることはできませんが、

何度も振れば
「6回に1回は1の目が出る」
と考えてよい。

これが「確率」です。

「論理」と「確率」

2つ揃いました。
世界を数学で表現できるでしょうか。

まだ足りません。

論理のように確実に起こるものでも
サイコロのようにランダムに起こるもの
でもないような事柄

というものがあります。

そこで、次に「統計」です。

統計

論理のように確実に起こる
ものでも
サイコロのようにランダムに
起こるものでもないような事柄
って何があるの?

論理と確率で扱うことが難しいのが、

「人間の意志」です。

人間の意志が働くもの、例えば
株価や選挙の行方などは
論理だけで予測できません。

かといって、

株価や選挙の行方などは
サイコロのように
ランダムに決まっているものでもない
ため確率でも表現できません。

統計とは、

アンケートなどで得た
観測可能な情報と
過去のデータから、
そこに潜んでいる規則性を
なんとか見出そうとするものです。

「確率」と「統計」は
似ているようですが、

確率は
「理論から結果を予測する」もの。

統計は
「データが先にあって、そのデータの
分析で仮説を見つける」
ものです。

2 AIにできないこと

  • 論理
  • 確率
  • 統計

これが、
4000年以上の数学の歴史で発見された
数学の全てであり、
科学が使える言葉の全て

と筆者は言います。

スーパーコンピューターが
開発されようと、

量子コンピューターが
開発されようと、

コンピューターが使えるのは

論理、確率、統計

だけだそうです。

論理、確率、統計だけで
人間のような知能を
表現できるでしょうか。

筆者は無理と断言しています。

その理由を2つ紹介します。

AIは「意味」を理解できない

数学において、
「意味」を記述する方法はありません。

  1. リンゴは果物である。
  2. 果物は腐る。
  3. よって、リンゴは腐る。

のようなことしか表現できず、
数学では
そこに意味を付けられないのです。

したがって、
人間なら簡単に理解できる

「私はあなたが好きだ」と
「私はカレーライスが好きだ」の

本質的な意味の違いも
AIには理解できないということです。

AIは「常識」を理解できない

みなさんは

人型ロボットが冷蔵庫を開け、
中にある缶ジュースを取り出して、
人に渡す―

といったデモンストレーションを
見たことあるのではないでしょうか。

一見、

AIがまた人間に
一歩近づいた・・・

と思いますよね。

しかし筆者によると、

そのロボットは

綿密に作られたシナリオがあるからこそ
成功できたのだとのことです。

綿密なシナリオとは、

  • 冷蔵庫がどのような形状か
  • 冷蔵庫の扉はどうすれば開くのか
  • 取り出す缶ジュースがどのような
    形状か

などといった
とても詳細なものです。

しかも、
このようなデモンストレーションの場合、

冷蔵庫の中に入っているのは
多くの場合、

缶ジュース1本だけ

だとのことです。

応用問題として、
ビール、コーラ、ジュースが
間隔を空けて置いてある場合も
あるようです。

普通、冷蔵庫の中には

牛乳や野菜、
使いかけのドレッシング、
缶ジュース以外にも
缶ビールや缶チューハイが
入っている場合もあると思います。

ですが、みなさん、
間隔を空けて置いてあるでしょうか。

ぎゅうぎゅうに
入っている場合もあると思います。

人間にとって、
さまざまなものが入っている
冷蔵庫の中から
缶ジュースを取り出すことは
難しくないと思いますが、

ロボットにとっては、
非常に限定された条件でなければ
冷蔵庫の中から
缶ジュースを取り出すことさえ
簡単ではないというのです。

技術は進んでいるはずなのに、
こんな単純なことが
できないの!?

人間にとって

「単純だ」

と思える行動は
ロボットにとって

非常に複雑なのだと
筆者は説明しています。

実はわれわれ人間は
冷蔵庫の中から
缶ジュースを取り出すとき、

とてつもない量の
「常識」を働かせているのだそうです。

常識も何も、ただ缶ジュースを
取り出すだけじゃん!

例えば

・ 缶ジュースはどこにあるのか
 ⇒ 押入れや靴箱にあるわけない。
  冷蔵庫にある。
・ 冷蔵庫はどこにあるのか
 ⇒ 玄関にあるわけない。台所だ。
・ 冷蔵庫の扉はどうすれば開くか。
・ そもそも缶ジュースとは
 どのようなものか。
・ 冷蔵庫のどこを探せば
 見つかるのか。
・ 缶ジュースを取り出す際、
 邪魔になるものはどうするか。

などなど・・・

文字に起こしてみると、
結構ありますよね。

人間にとっては
大したことないことですので
 ”一瞬” で ”無意識” のうちに
判断できますが、

AIにとっては
これが複雑なのだそうです。

じゃあ、すべての常識を
ロボットに詰め込めば
いいのではないか?

理論上はそのとおりだと思いますが、

筆者いわく、

ロボットが
中学生程度の常識や柔軟性を身につけて
役に立つという未来像は、
現状の技術の先には
見えないとのことです。

「中学生が身につけている程度の常識」は

莫大な量の常識であり、

それをAIやロボットに教えることは
とてつもなく難しいとのことです。

メメオ
メメオ

この世の全ての常識を
文字化して、数式化して、
AIに教えることって、
思った以上に
難しいんですね・・・

3 ディープラーニングの誤解

チェスや将棋においては一般的に、
「人間はAIに勝てない」
と言われています。

これは、
ディープラーニングの導入によるもの
だと言われていて、

ディープラーニングがあれば、
チェスや将棋だけでなく、
あらゆることで
人間を超越するのでは!?

と考えたくなりますが、
筆者は否定しています。

AIは
チェスや将棋のルールように

「ある限定された条件」

においては、
並外れた計算力を用いて
推論と探索をすることができるため、
人間に勝てるほど強いです。

しかし、
「条件が簡単には限定できない」

現実の問題を前にすると、
推論と探索だけでは無力だというのです。

また筆者は

「ディープラーニングは人間の
脳を模倣しているのだから、
人間の脳と同じように
判断できるようになる」

との誤解が散見しているが、

実際のディープラーニングは

脳を模倣して、
数理モデルを作った
」ものである

と説明しています。

脳はサルやネズミにもあります。

しかし、人間のように
自転車やスクーターを見分ける保証は
どこにもありません。

ディープラーニング=人間の脳
というわけではないのです。

じゃあディープラーニングは
何ができるの!?

ディープラーニングができること、

それは
「教師データの大量生産」です。

教師データとは

例えばAIに
画像の中から『イチゴ』を検出させる際、

「これがイチゴだよ」
と教えるデータのことです。

人間であれば
10個くらいイチゴを見れば、

多少形がいびつでも、
多少色が薄くても、

総合的に判断できるため、
画像の中から
「イチゴ」を判別ことができます。

しかしAIには
大量の「イチゴ」を
教えなければいけません。

大量ってどのくらい教えないといけないの?

筆者によると

柔軟性のない機械に
人間並みの物体検出性能を持たせるには

百でも千でも足りず、
最低でも万、
場合によっては億

という単位のビッグデータが
必要とのことです。

ディープラーニングが開発されるまでは
「イチゴ」のデータを
人が設計する必要がありました。

「イチゴ」の特徴量を
プログラマーが職人技を駆使して設計し、

正解率を1%向上させるために
1年がかりで設計を調整する

というようなことが
行われていたといいます。

例えば「イチゴ」は

画像のどこに写っていても、
上下さかさまでも、
解像度を上げても下げても、

イチゴです。

そんなの当たり前だろ!

人間にとっては当たり前ですが、
ディープラーニングが誕生する前は

これらを一つ一つ

教師データとして

プログラマーが作成する必要が
あったのです。

しかし、そのような状況が

ディープラーニングが誕生したことで
改善されます。

「イチゴ」を判別するのに
どの特徴に目をつけるべきかを

AI自身に検討させることが
できるようになったのです。

画像の場合、
一枚の教師データがあれば

回転させたり、
拡大縮小させたり
することで

教師データの数は一気に増えるので
コストが大幅に下がった
とのことです。

AIは
ディープラーニングを駆使しても
人間の脳のようにはなりません。

AIが活躍できるのは
あくまで、

「一定の枠組の中でのみ」

ということなのです。

以上のことから

ディープラーニングとは

「大量のデータを与えれば
AI自身が自律的に学習して
人間にもわからないような
真の答えを出してくれる仕組み」

ではなく、

ディープラーニングとは

「十分な量の教師データを準備すると
AIがデータに基づき調整することで、
一定の枠組の中においてのみ、
正解にたどり着きやすくするもの

なのです。

4 人間は「AIにできない仕事」をできるのか

筆者によると、
AIには弱点があります。

  • 一を学ぶには万以上
    教えなければならない
  • 応用が利かない
  • 柔軟性がない
  • 決められた枠組の中でしか
    計算処理ができない

といったものです。

なぜなら、AIには
「意味」を理解できないからです。

ですから、
人間はその反対の

  • 一を聞いて十を知る
    能力や応用力、柔軟性
  • 枠組にとらわれない発想力

があれば
AIに仕事を奪われず、
共存することができる

というわけです。

AIには理解できない「意味」を

我々人間が理解するために
必要な能力として、

読解力」があります。

では
現代社会に生きる私たちの多くは、

AIには肩代わりできない種類の仕事を
うまくやっていけるだけの

「読解力」を
十分に備えているでしょうか。

読解力くらい普通にある
でしょ!

と言いたいところですが、

筆者は
日本の中高生の読解力は危機的である

と言うのです。

中高生の話でしょ!?
大人は当然、読解力あるよね!

と思いたくもなりますが、

読解力というような素養は

高校卒業までには獲得される
ようなのです。

危機的って、どの程度?

筆者によると

教科書の記述を
正確に読み取ることができていない

のだそうです。

どの程度読み取りできないのか。

それを知ってもらうために
筆者が考案した問題を紹介します。

問 次の文を読みなさい。

「幕府は、1639年、
ポルトガル人を追放し、
大名には沿岸の警備を命じた。」

上記の文が表す内容と
以下の文が表す内容が同じか、
それとも異なるか、
答えなさい。

『1639年、
ポルトガル人は追放され、
幕府は大名から
沿岸の警備を命じられた。』

みなさん答えはわかりましたか?














答えは「異なる」です。

この問題、
「意味」を理解できない
AIにとっては、
出てくる単語がほぼ同じだから
結構難しいそうです。

AIはこんな問題も
正解できないのか!

と言いたいところですが、

中学生の正答率は57%だそうです。

中学生の半分程度は
このレベルの文章を
正確に読み取れないというのです。

メメオ
メメオ

ちなみに高校生でも
正答率71%だそうです。

結構衝撃・・・

これだけでもショックですが、
本書では続けて
ショックなエピソードを
紹介しています。

この事実を知った
とある新聞記者が

新聞記者
新聞記者

57%の正答率では
ダメですか?

100点満点で57点
ということは、平均点としては
悪くないのでは?

と筆者に尋ねたそうです。

先ほどの問題は

「同じ」か「異なる」

のどちらか二択を選択する問題です。

コインを投げて裏表で回答しても
50%です。

中学生の正答率が

「コイン投げと同じ程度」

ということが
深刻なのかどうかを
自ら判断できないような人が
新聞記事を書いている―

と筆者は愕然としたそうです。

このようなエピソードを聞くと、

中高生だけでなく
大人も同じように
危機的状況かもしれません。

5 読解力を養う方法

AIと共存するためにも
読解力を養う方法が知りたい!

残念ながら、

「読解力」を養う方法は

本書では紹介されていません。

じゃあ諦めるしか
ないのか・・・

と思いたくなりますが、

筆者は
いくつになっても、読解力は養える」 と言います。

方法がないのに
どうやって読解力を養うの?

それについて、
筆者自身のエピソードを紹介します。

指導していた学生の中で
論理的な文章を書くのが
苦手な学生がいたそうですが、

読解力問題を作るお手伝いを
お願いしたところ、

半年も経たないうちに、

とてつもなく論理的な文章を
書くようになったそうです。

そのときその学生は
38歳だったそうですので

諦める必要はありません。

6 まとめ

いかがでしたでしょうか。

ぼくは

AIvs.教科書が読めない子どもたち

の前半を読み

メメオ
メメオ

AIにすべての仕事を奪われるわけではないのか、よかったー

と、ひと安心し
後半を読み

メメオ
メメオ

もしかしたらAIに
仕事を奪われるんじゃないか

と、危機感をおぼえました。

AIの進化が目まぐるしい中、

すべての仕事がAIに
奪われるわけではないのでしょうが、

われわれ人間が
AIに適応していかないと

本当に仕事を奪われてしまう
かもしれませんので

みなさん
読解力を養いましょう!

今回は以上です。

ありがとうございました!

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